こだわりの法則

こだわりの法則

あることに集中すると、こだわり続ける

認知症,こだわり

 

認知症の人には「あるひとつのことに集中すると、そこから抜け出せずこだわり続ける」という特徴があります。

 

 

これが「こだわりの法則」です。

 

 

たとえば、外出するたびに物を拾ってきてしまい込むといった行動は典型的で、家族が捨てたり片づけたりしても同じことを繰り返します。

 

 

このとき、まわりの人が説明したり説得したり否定したりすると、逆にこだわりがひどくなるおそれがあります。

 

 

適切に対処するには、次の7つの方法を状況に応じて使い分けると効果的です。

 

 

そのままにしておく

 

認知症の人にとって「自分の目で確認できないものはないのと同じ」です。

 

 

たとえば、大事な着物が自分の目につく場所にないと、どこに行ったのか不安になり探し回ります。

 

 

ようやくタンスの奥から見つけて部屋いっぱいに広げて安心したところに家族が来て、「散らかしたらダメでしょ!」と片付けられてしまったら「私の大事な着物がない」との不安がぶり返します。

 

 

そして、再びタンスから出して部屋いっぱいに広げて安心する。といったことを繰り返します。

 

 

それを家族が見とがめて片付けてしまうと、堂々巡りになってしまいます。

 

 

認知症の人があるひとつのことにこだわるのはその人なりの理由があるので、無理にやめさせようとしたり、こだわりを直そうとしたりしても介護者のイラ立ちは募るばかりです。

 

 

小さな子どもがいれば部屋が汚れていても散らかっていても「仕方ない」と思う人は多いものです。

 

 

認知症のひとの場合も同じで、部屋を汚しても散らかしても、命に関わることでもなければ「少しくらいみっともなくてもかまわない」と思うことが大切です。

 

 

場面転換をする

 

知的機能が低下して「理性が支配する世界」に住んでいない認知症の人に、いくら説明したり説得したりしても、それを聞き入れてもらえることはまずありません。

 

 

何度も同じことを繰り返すような困った行動をやめさせたいときは、説明や説得をするよりも、他のものに関心を向けさせる「場面転換」の方法が効果的です。

 

 

場面転換は、認知症の人のペースに合わせることが大切で、昔の話をしたり軽食を出したり、趣味の話をしたりしながら、関心が他に向くように働きかけていきましょう

 

 

他のことをしているうちに、困った行動をしていたことを忘れて、落ち着いてくれることも多いものです。

 

 

第三者に登場してもらう

 

認知症の症状は、より身近な人に強く出るという特徴があります。

 

 

そのため介護する家族がいくら説明や説得をしても聞き入れないけど、第三者の言うことならすんなりと聞く、ということがしばしば見られます。

 

 

たとえば、通帳を見せて「お金はちゃんとありますよ」と説明しても「盗んだ金を返せ!」と家族を責め続ける人が、JAの人から「お金はなくなっていませんよ」と、言ってもらうと安心する、といった具合です。

 

 

認知症の人は社会的に信頼されている職業の人(学校の先生・警察官・医者・看護師など)に対しては、症状がかなり進んでいても信頼を寄せる傾向があります。

 

 

地域の協力・理解を得る

 

認知症の人を介護する家族は、隣近所に迷惑をかけることを非常に気に病みます。

 

 

そのため、家族だけで問題を抱え込む傾向がありますが、それでは限界を迎え共倒れする可能性があります。

 

 

安心して介護を続けるためにも、機会を捉えて地域の人の理解と協力を得ましょう

 

 

たとえば、物集めの一種に当たりますが、認知症の人が店の商品を黙って持ち去ることがしばしばあります。

 

 

このとき、店員に謝罪するとともに事情を説明し、認知症のせいで悪気はなかったことを伝え、この病気に対する理解を求めることが大切です。

 

 

そのうえで繰り返す場合は、一緒に対策を考えてもらえるよう頼んでみましょう。

 

 

高齢者の過去を知る

 

現在から数年分、あるいは数十年分の記憶がなくなっている認知症の人は、過去の時間の中で生きています。

 

 

認知症の人のこだわりを理解するには、その人の過去を知ることも大切です。

 

 

たとえば、お金に執着する認知症の人が「物盗られ妄想」に駆られて家族を泥棒呼ばわりすることがよくあります。

 

 

このことにショックを受け、世話をする気力を失う家族も少なくありません。

 

 

実は物盗られ妄想になる人の多くは、かつて金銭的に苦労をした経験を持っているといわれています。

 

 

そういった過去を知ると、生きていくのにもっとも必要なものであった金銭に執着するのは無理がないと理解でき、それなりの対応が取れるようになります。

 

 

一手だけ先手を打つ

 

記憶力、判断力、推理力など、様々な知的機能が低下してくる認知症の人から、家族は方時も目を離すことができません。

 

 

しかし、家族の見守りにも限界があり、認知症の人がいる家庭では不安の種が尽きないのも事実です。

 

 

起こるかもしれない不足の事態をあれこれ心配し始めると、不安はどんどん膨らんでいきます。

 

 

見守りに対する介護者の不安やストレスを取り除くためにも、一手だけ先手を打ってみてください

 

 

たとえば、たばこの火が心配なら、不燃性の敷物やカーテンに替え、煙探知式火災報知器を取り付けてみましょう。

 

 

このように、先手を打ったらあとは必要以上に不安を抱かないこと。これが介護者の心の健康を守る秘訣です。

 

 

長期間は続かないと割り切る

 

認知症の人のこだわりはそれ程長く続かないことを知っておきましょう。

 

 

お金や食べ物など、生きることに関係するこだわりは比較的長く続くのですが、それ以外のものは半年から一年もすると収まってきます

 

 

長く続くのもではないと割り切って好きなようにさせていたら、こだわりの行動が軽くなったり、いつの間には消えていたりすることも多いと言われています。

 

 

こだわりによる行動を早めに解決するためには、認知症の人がこだわり続ける気持ちをよく理解し、「どうすれば、そのこだわりを軽くできるのか」といった視点から、対処法を考えて見ることも大切です。

 

 

ときには家族はその場しのぎの芝居をしたり、嘘をついたりしなければならないこともあります。

 

 

認知症の人の気持ちに寄り添った対応をするためにも「嘘も方便」だと割り切りましょう。

 

 

 

 

 


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